12.印籠芯の製作

糸決めの終わった所で、印籠の接続部分の加工をします。

先ずは印籠芯になる材楼を選びますが、通常は矢竹を使用します。 印籠で接続する部分の竹の外径を計測し、錘負荷10~35位の竿ですと、印籠部の外径より1.5㎜程細い外径の印籠を選びます。 言い換えると印籠が差し込まれると、外径の竹の厚さが0.75㎜となります。 この竿ですと、約11.0㎜±の印籠を入れますので、その位置での矢竹の外径を測り、出来るだけテーパーの少ない真っ直ぐな物を選びます。

印籠用矢竹を矯めます。 矢竹はこき矯めと言って、矯木で竹を伸ばすような感じで矯めていきます。

矯めが終わったら先端部を切ります。

 

切断は節の部分で切ります。 従って印籠の下の部分に節が残る形となります。 この節の部分は他の部分より少し太くなっていますので、この部分を少し削り細くします。

 

写真テープの巻いて有る位置が最も細い位置です。

節の部分がテープを巻いた一番細い所の径になるまでヤスリで丁寧に削ります。(写真上) 更に紙やすりで磨いて、漆を塗った時にこの部分だけが黒くならないように、ツルツルにしたら先端部の加工完了です。

次に本体側の加工です。

印籠芯より少し小さめの錐で内側を削ります。 もちろん長さも印籠の入る長さに合わせます。 同時に穂先側(スゲ込側)の竹も同じサイズの穴を開けて下さい。

印籠の差し込み長さは、私はカワハギ竿で11㎝前後としています。 よってこの竿の下の写真で写っている継口の補強糸は、先端より12㎝の所まで巻いて有ります。 基本的に印籠の差し込み長さは補強糸巻より内側で止めて下さい。

上で錐を使って少し小さめにあけた穴を、丸ヤスリで少しづつ削りながら印籠を差し込んでいき、所定の位置まで入る様に微調整していきます。 削り過ぎは絶対に禁物です。 所定の長さ11㎝迄入った所で差し込み側の完了です。

次はこの竿ですと穂先側の接着部分の加工です。

その前に写真上の様に、印籠芯の中に補強のためにグラスファイバー又はカーボン等の材料を入れて接着しておきます。 印籠芯先端部分までキッチリと入れる必要はありません。 全体の2/3程度入っていればOKです。接着剤には2液性のエポキシを使用してください。 接着剤が固まったら補強材を竹の先端で切断し、受け側に入る様に加工していきます。 要領は先端部分と同様ですが、こちら側は後で接着しますので、印籠本体の側も納まる範囲で削ることは可能です。 印籠の接着側先端部は、上の写真の様に錐の先端の形状に合わせて弾丸のような形に加工してください。

上の写真完成ですが、ここで接着はしないでください。 接着はもう少し後での作業となります。

印籠は、削り過ぎるとアウトです。 少しづつ少しづつ削っては差し込み、当たっているところを調べながら、細心の注意を払って作業して行きます。 初心者にとってはここが一番難しい作業かも知れません。 焦らず慎重に!