6.毛引きとキシャギ

この章は毛引きとキシャギです。

竹竿は竹に火を入れて真っ直ぐにして、そのまま竿として使用することは出来ますが、長いままですと持ち運びには不便です。 その解消のために江戸時代にツナギ竿が工夫されました。

竹の継の部分は、竹のままですと強度が弱く、そのまま継いでも竹が裂けてしまいます。それを避けるために継口に絹糸と漆を使って補強し、継口の強度を上げるのですが、その準備段階の作業が今回の毛引きとキシャギです。

毛引きとは、竹に毛引く事つまり竹の皮をむく位置に細い線(切り込み)を入れることを言います。

下の写真ご覧ください。

 

これは大工道具の毛引きと言うものを使用して、継口の糸巻き部分の境に切り込みを入れているところです。具体的に言うと、上の写真で竹の先端から今この毛引きの刃が当たっている所までが絹糸巻になります。

私は毛引きの作業に何時もこの道具を使用していますが、この道具でなくても構いません。 鉛筆で線を引いておいてナイフで切り込みを入れても良いですし、竿師によって、いろいろ工夫した道具を使用している方もおられるようです。

注意点は、線は必ず竹に対し直角方向にそしてあまり深く切り込みすぎないようにと言う2点です。 線が曲がると、糸を巻いた時に巻際が汚くなりますし、深く切り込みますとそこから折れる原因になります。 竹の表面に軽く傷がつく程度にとどめて下さい。

 

次にキシャギです。

先ずは道具を見て下さい。

 

これらはすべて私が使用しているものですが、主に2種類あります。

左の2つはナイフの両刃のような形状で、この刃の部分でキシャギます。 キシャギとは竹の皮をはぐ作業を言いますが、右の2つは特に刃がついていません。 金属の角をほぼ90°に鋭く研いで有りますので、この角を利用してキシャギます。

どちらのタイプでもOKですが、最近は右側の形状の物が良く利用されています。

下の写真は一番左の物を使用してキシャイでいる所です。

 

このキシャギと言う言葉はどこから来たのか判りませんが、彫金で金属を磨くときに、左の2本と同じような形状の刃を使用して磨くことが有ります。 この作業を確かキサゲと呼んでいたと思います.この辺から来たのでしょうか??  下の写真が作業完成です。

 

写真は穂持ちの部分ですので、先端だけキシャイでいますが、印籠部分では一番目の節より下も絹糸を巻きますので、その部分もキシャギをやる事になります。 

基本的には、絹糸を巻く部分全てをキシャイで行きますが、飾巻部分等は省きます。

我々が花道と呼んでいる布袋竹のくぼみの部分も綺麗にキシャイでください。 この部分は後程サビ付けを行いますが、皮が残っているとこのサビ付けの時に接着が悪くなります。 花道の凹んだ部分のキシャギには上の写真右2つの道具で角の丸い部分を使ってキシャグと綺麗に行きます。