15.ガイド・リルシート

①取付

竹竿は竹の芽が左右に位置する状態で使用しますので、当然ガイドとリールシートは竹の左右に対して直角の位置に取り付けます。 取付前にグラインダー等で足の先を斜めに研ぎ、取り付けた時糸巻き部分に大きな段差が付かない様加工します。

私は写真の様にベビーサンダーで研いでいますが、手作業で金ヤスリを使って研ぐことも、少々大変ではありますが可能です。

 

上の写真でガイドを削っています。 写真ではあまり良く分らないかもしれませんが、上が削る前下が削った後です。

 

上の写真はリールシートですが、これもガイドと同様です。

ガイドの取付に使用する糸は、キス・カワハギ等では、スゲ込に使用した#50の絹糸を使用仕ます。

 

下の図面はガイド取付の順番を示したものです。

ガイドの取付で私は第一番目に穂持ちの一番手前を付けます。 そして次にトップを付け、その後この手元と先の2か所を覗きながら、図の様に順番に取り付けていきます。 そうすることで真っ直ぐに取付することが出来ます。 ガイドのピッチは、竿が曲がった時に竿に道糸が付かない様にすることが原則です。 

新しい調子の竿の時は、取付前に紙の上で竿を曲げて曲線を写し取り、当たらない位置を探ってからピッチを決めると失敗が有りません。 8章に書いた穂先と竹とのつなぎ部分には、必ずガイドを配置することは忘れないようにしてください。 

更には使用するリールによってもピッチは変わります。 スピニングの場合はリールが下向きになりますので、竿に糸が当たる心配がなく、ピッチを荒く出来ます。 あくまでも目安ですが、6・7尺のキス竿で9個前後、カワハギ竿で12個前後です。 すべての取付が終わったら全体を睨んで通りを修正してください。 

次にリールシートを取り付けますが、取付には#9号の絹糸を使用します。 これも曲がらないよう注意して取り付けてください。 

更にはこの段階で必要に応じて、竿尻に尻手用の紐も取り付けてます。

 

②仕上

ガイド糸巻き部の仕上前に、要所要所を瞬間接着剤で止めておきます。  この時に接着剤を付け過ぎないよう注意してください。  ガイドが動かない様ほんの少しだけでOKです。付け過ぎると後から漆が乗らなくなります。 その後瀬〆を塗り、下塗りを4回施します。 

次に#800~#1000の耐水サンドペーパーで水研ぎします。 すでに周りは仕上がっていますので、傷つけない様注意してください。 又、ガイド・リールシート等の角の部分は削り過ぎに注意してください。 この時点でまだ糸目が消えないようでしたら、再度漆を塗りと研ぎを糸目が消えるまで繰り返してください。 

糸目が消えたら仕上塗に入ります。 仕上げに使用する漆を2回塗って乾燥後#1500~#2000でその都度研いで行きます。 そして最後にもう一度仕上漆を塗って室に入れ完了です。